相手方の確認が必要(義務)な古物とは?

中古品の買い取りや交換、委託販売を始めるときに必ず押さえておきたいのが「相手方の確認義務」です。
これは、古物を受け取る前に、相手の住所・氏名・職業・年齢などを確かめるルールのこと。
本コラムでは、いつ・どの品で確認が必要になるのか、2025年10月の法令改正も踏まえて、一般の方にも分かりやすく解説します。
ネット買取やフリマ連携など非対面のときの注意点、確認の具体的な方法、よくある勘違いまで丁寧にご案内します。

目次

古物商と確認義務の基本

「古物」とは、一度使用された物、未使用でも一度は“使用のために取引”された物、これらに手入れをした物を指します。
これらを反復継続して売買・交換(委託を含む)する事業者が「古物商」で、盗品等の流通防止のため、都道府県公安委員会の許可が必要です。

確認義務が発生するのは、事業として古物を買い受ける交換する売却・交換の委託を受けるときです。
自社が一般消費者に売る際は、相手方の確認義務は原則ありません(ただし帳簿の記録義務は別途あります)。
法人同士の取引であっても、古物商が仕入れる側であれば確認義務は免除されません。

法人で許可が必要になる典型例

法人として、店頭・出張・宅配での買取、委託販売、ネットオークションのあっせんなどを行う場合は古物商許可が必要です。
ネットのみでも対象で、サイト上には許可番号等の表示が求められます。

確認が必要な古物はどれ?——金額基準と品目のルール

相手方の確認が必要かどうかは、基本的に取引の対価の総額(一度に受け取る品の合計額)で判断します。原則は「1万円以上ならすべて確認が必要」。1万円未満でも、盗難被害が多い等の理由から、次の品目は金額に関係なく確認が必要です(2025年10月1日から対象拡大済み)。

早見表(2025年10月1日以降の基準)

条件確認が必要になる古物
対価の総額が1万円以上13区分のすべての古物(例:カメラ、スマホ、ブランド品、家電、時計、書籍、金券 等)
対価の総額が1万円未満自動二輪車・原付(ねじ等の汎用部品を除く部品を含む)家庭用ゲームソフトCD・DVD・BD等の光ディスク書籍エアコンの室外機電気温水機器のヒートポンプ電線(LANケーブル・家庭用延長コード等は除外)金属製グレーチング

※「トレーディングカード」「フィギュア」「日用雑貨」などは原則「道具類」であり、1万円未満の取引なら確認義務は原則免除です。ただし事業の安全管理上、任意で本人確認を行う実務は有効です。

「対価の総額」の数え方——迷いやすいポイント


例えば、スマートフォン6,000円とタブレット8,000円を同時に買い受ける場合、合計14,000円となり、確認が必要です。個品の単価では判断しません。なお、消費税は含めずに判定するのが原則です。

確認の具体的な方法(対面/非対面)

対面で取引するとき

実務では、相手の住所・氏名・職業・年齢を、次のいずれかの方法で確かめます。

  • 運転免許証やマイナンバーカード等の提示を受け、内容を記録する
  • 相手がその場で自筆した申込書(またはタブレットへの自署)を受け取って記録する

氏名だけでなく、住所・年齢・職業まで確認して記録することが大切です。

非対面(宅配・アプリ受付)で取引するとき

相手と直接会わずに買い受け等を行う場合は、法令で列挙された方法で本人確認をします。
代表例としては以下のものがあります。

  • 配達記録が残る郵便・貨物で書類を送り、受領記録で住所と本人を結び付ける
  • 本人の容貌画像と身分証画像の送信を受けて目視または機械で照合する
  • ICチップの情報や電子署名・JPKI等を用いる

免許証の画像を送ってもらうだけでは足りません。

記録(帳簿)と保存の基本

相手方の確認とセットで、取引内容を帳簿または電磁的記録に残す義務があります。様式には「受入れ・払出しの別」「品目」「特徴」「相手方の住所・氏名・職業・年齢」などを記載します。記録は最終の記載日から3年間、営業所で保存するのが原則です。電子記録の場合は、必要に応じてすぐに書面出力できる体制を整えておきます。

よくある勘違いと実務アドバイス

「売るときも毎回本人確認が要るのでは?」 —— 仕入れ側(買い受け・交換・委託受け)で義務が生じます。自社が販売する際は相手方確認は原則不要ですが、帳簿記録は必要です。

「相手が古物商なら確認不要?」 —— 取引相手が古物商でも、仕入れる側に確認義務はあります。店舗同士の売買でも同様です。

「同一相手が少額に分けて持ち込むときは?」 —— 1回ごとに判定するため、形式上は免除になることがあります。ただし、正当な理由なく分割する場合は不正品の申告義務の検討対象となり得ます。現場で違和感があれば、身分確認を強化し、必要に応じて警察に相談しましょう。

まとめ——迷ったら“金額×品目×方式”の三点で整理

相手方の確認義務は、①金額(対価の総額1万円の線)、②品目(1万円未満でも対象になる品)、③対面・非対面どちらの方式か、の三点をおさえると判断しやすくなります。2025年10月の対象拡大も施行済みです。運用に不安があれば、所轄警察の生活安全課へ照会し、記録に残る形で確認すると安心です。当事務所(アクシスサポート行政書士事務所)では、確認フローの設計、帳簿様式の整備、非対面方式(eKYC等)の導入まで丁寧にサポートします。お気軽にご相談ください。

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