古物商許可×ネット販売の実務設計:本人確認・表示義務・仕入れ管理の落とし穴

古物商許可×ネット販売の実務設計:本人確認・表示義務・仕入れ管理の落とし穴

古物商許可を取得し、ネット販売を始める事業者は年々増えています。しかし、店舗型営業と異なり、インターネット取引には「非対面での本人確認」「URLの届出」「表示義務」「仕入記録の管理」など特有のルールがあります。許可を取っただけでは足りず、実際の運用体制が法令に適合していなければ、指導や営業停止の対象になる可能性もあります。このコラムでは、古物商許可を前提としたネット販売の実務ポイントを、行政実務の観点から丁寧に解説します。


目次

ネット販売でも古物商許可は必要

中古品を反復継続して仕入れ、販売する場合、店舗がなくても古物商許可は必要です。フリマアプリや自社ECサイト、オークションサイトでの販売も対象になります。

「自宅で副業だから不要」「個人だから大丈夫」という誤解は多く見られますが、営利目的で反復継続して行う場合は許可対象です。特に近年はオンライン取引の増加に伴い、警察の確認も厳格化しています。

URLの届出義務

インターネット取引を行う場合、営業に使用するURLを警察署へ届け出る必要があります。新規ドメイン取得や販売サイト追加も変更届の対象です。

これを怠ると、形式上は無届営業となり、指導対象となる可能性があります。EC展開を拡大する際は必ず確認が必要です。


非対面での本人確認の実務

古物営業では、仕入れ時に相手方の本人確認が義務付けられています。店舗であれば対面確認が可能ですが、ネット仕入れでは方法を工夫する必要があります。

代表的な方法は、本人確認書類の写しの受領や、配送先住所との照合などです。ただし、形式だけでなく「実質的に本人確認ができているか」が重要です。

本人確認を怠った場合のリスク

本人確認を怠ると、盗品等の流通を助長する可能性があり、行政処分や刑事責任に発展する場合もあります。ネット販売は利便性が高い反面、記録管理の徹底が求められます。


取引記録(古物台帳)の管理

古物商には、取引内容を記録する義務があります。これを「古物台帳」と呼びます。仕入年月日、相手方の住所氏名、品目などを記録します。

ネット販売では、デジタル管理を行う事業者も増えていますが、保存期間や記載項目が法令に沿っているか確認が必要です。

記録項目主な内容
取引年月日仕入日
相手方情報氏名・住所
品目区分と具体的内容

記録は一定期間保存義務があります。形式的な入力だけでは不十分です。

在庫管理との連動

台帳管理と在庫管理が分離していると、整合性が取れなくなることがあります。警察の立入確認時に説明できる体制を整えることが重要です。


表示義務と特定商取引法との関係

ネット販売では、古物営業法だけでなく、特定商取引法の表示義務も関係します。許可番号の表示、事業者情報の掲載などが必要です。

表示漏れは消費者トラブルや行政指導の原因になります。古物営業法と消費者法規の両面から整理することが重要です。


よくある実務上の落とし穴

・URL変更の未届出
・本人確認書類の保管不備
・区分追加未届のまま販売
・自宅住所公開への不安から表示不備

これらは実務上よく見られる問題です。営業開始後も継続的な法令確認が必要です。


まとめ

古物商許可を取得しても、ネット販売では追加の実務対応が必要になります。このコラムで解説したように、URL届出、本人確認、台帳管理、表示義務の整理は不可欠です。

アクシスサポート行政書士事務所では、許可取得だけでなく、ネット販売体制の法令適合チェックや変更届対応までサポートしています。EC事業を安全に拡大するためにも、ぜひご相談ください。

結論ポイント(箇条書き)

・ネット販売でも古物商許可は必要
・URLは必ず届出対象
・非対面取引は本人確認方法が重要
・古物台帳は保存義務あり
・表示義務との整合が必要

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