個人でもOK?古物商許可×ネット販売の完全ガイド[2026年版]—メルカリ・ECで中古販売を始める前に

ネットで中古品を売るとき、「古物商許可はいりますか?」という質問をよくいただきます。
答えはシンプルで、【仕入れて・繰り返し・利益を得る目的で】売るなら、原則として許可が必要です。
フリマアプリや自社ECだけの販売でも考え方は同じです。

このコラムでは、はじめての方でも迷わないように、まず「あなたに許可が必要か」を判定し、つづいて自宅兼事務所で申請するときの注意点、開業後のルールまで道筋を示します。判断に迷うグレーな場面も、考え方のコツと一緒に整理していきます。

許可が要る?要らない?早見表

あなたの状況許可の要否具体例
自分の不要品をたまに処分するだけ不要引っ越しの断捨離、サイズアウトした服の処分
仕入れて反復継続して売る必要仕入→転売、ネットショップ型の中古販売
友人・知人から買い取って売る必要金銭授受のある買取→販売
ハンドメイド(自作)を売るだけ不要自作アクセサリー、ハンドクラフト
目次

古物商許可が必要かの判定

古物の定義と「新品・未使用」「新古品」の扱い

「古物」とは、一度でも消費者の手に渡った物、または使用のために取引された物を指します。
未開封でも、いったん購入されて個人の所有になった時点で「古物」になるのが基本的な考え方です。店舗で仕入れた在庫新品は「古物」でない場合がありますが、個人から買い取った未使用品は通常「古物」に該当します。ラッピングの有無や見た目よりも、所有の流れがポイントです。

許可が不要な典型例(自分の不要品の単発処分 等)

自宅の片付けで出た服や本、家庭で使っていた家電を時々手放す程度で、仕入れを行わず利益追求が目的でない場合は、通常は許可を要しません。記念品の譲渡、プレゼントの転用なども同様です。ただし、同じような品をまとまって買い集めて売る、知人の品を買い取って転売する、といった行為が混ざると許可が必要な行為に近づきます。

許可が必要になる典型例(仕入→反復継続の転売/買取して販売)

中古品をオークションやフリマで仕入れ、カテゴリーを絞って継続的に販売する場合は、古物商許可の取得が前提です。友人・知人・一般の方から買い取って販売する場合も同じです。ネットでの無店舗営業でも、販売実態と管理体制が問われます。開業前に、取り扱うジャンルと保管・記録方法を決めておくと申請がスムーズです。

ネット販売特有のポイント

申請時のURL・屋号・サイト表示(通販ページを持つ場合)

通販ページやECモールのショップを持つ場合、申請書に屋号やURLを記載します。
サイト側にも、事業者名や所在地、問い合わせ先などの基本情報をわかりやすく表示しておくと、審査での説明がスムーズです。

項目具体的に何を書くか
屋号ネット上の店舗名。後からの変更は手続が必要になる場合があります
URL自社サイトやモール内ショップのURL。準備中なら開設予定の旨を説明
事業者情報の表示事業者名・所在地・連絡先・許可番号(取得後)をページ内に明記

営業所の実務(自宅兼用:間取り・使用権限・郵便受け等)

自宅を事務所として申請する場合は、業務スペースを明確に区切り、使用権限を説明できることが大切です。
賃貸の場合は、用途制限や転貸の有無を確認し、必要に応じてオーナーの使用承諾書を用意します。
郵便物が確実に届く体制(表札・ポスト名表示)も確認しましょう。

確認ポイントよくあるつまずき
間取りと業務スペース家族の生活空間と完全に混在していると説明に時間がかかります
使用権限賃貸契約で事務所利用が不可のケース、同居親族の所有で承諾書が未取得
表札・ポスト氏名や屋号の表示がなく、郵送書類が返送される

標識・古物台帳の電子管理(クラウド/Excel運用の基本)

許可が下りたら、営業所に標識(プレート)を掲示します。
また、仕入・販売の記録は古物台帳で管理します。紙でも電子でも構いませんが、検索しやすく、訂正履歴が追える方法がお勧めです。Excelやクラウド表計算で、下記の項目を必ず残しましょう。

台帳の主な項目内容
取引日仕入日・販売日
品目の特定メーカー、品名、型番、シリアル等
数量・価格仕入金額、販売金額
相手方情報氏名、住所、確認書類の種類・番号(必要に応じて)
備考状態、付属品、特記事項

申請の流れと必要書類

個人と法人で違う書類(役員・管理者分、略歴書 等)

個人申請では本人分の書類が中心ですが、法人では「役員全員」や「管理者」分の書類が必要です。会社の登記事項証明書や定款の提示が求められるのも法人ならではのポイントです。

区分主な書類の例
個人住民票、身分証、略歴書、誓約書 等
法人登記事項証明書、定款、役員全員の住民票・略歴書、管理者の選任書類 等

欠格事由チェック(破産・前科・成年被後見人 等)

申請者が一定の欠格事由に当たると、原則として許可は下りません。
典型例は、禁錮以上の刑の執行から一定期間が経っていない場合、破産手続開始の決定を受け復権していない場合、成年被後見人・被保佐人である場合などです。
法人の場合は役員に欠格事由があると全体に影響します。迷うときは事前相談で事情を説明して確認しましょう。

手数料・審査期間の目安とスケジュール感

手数料や審査期間は地域・時期で異なります。申請書が整っていれば、受理から許可までの流れは比較的シンプルです。販売開始時期が決まっている場合は、逆算してサイト準備・在庫確保・台帳設計を先に整えます。

段階すること
事前準備営業所・保管場所の確保、台帳の雛形作成、サイトの基本情報整備
申請書類提出、補正があれば対応
許可後標識掲示、許可番号のサイト表示、運用開始

よくある差し戻し(使用承諾書の不備/住居表示・図面の齟齬)

差し戻しの多くは、住所や図面の表記ぶれ、賃貸物件での承諾書の不足です。
登記簿や賃貸契約書の表記と、申請書・図面の表記をそろえるだけで防げるケースがほとんどです。

原因予防・対策
使用承諾書の欠落物件の所有者名と申請者の関係を明確にし、様式どおりの承諾書を添付
住居表示と地番の混在公的書類の表記に合わせ、申請書・図面・サイト表示を統一
図面の不備間取りの縮尺と用途区分を明確にする

開業後の義務とNG行為

表示義務(公安委員会名・許可番号・氏名/名称)

営業所には標識を掲げ、ネット上では許可番号と公安委員会名、氏名(又は名称)を見やすい場所に記載します。
購入者が事業者を識別できることが大切です。

場所表示の例
ECサイトのフッター〇〇県公安委員会 古物商許可 第×××号/事業者名・所在地
商品ページ事業者情報へのリンクを明示
営業所内標識プレートを入口付近に掲示

非対面取引の本人確認(宅配・振込等の場面整理)

対面での買取がないネット型の取引では、相手の本人確認をどう行うかが重要です。
宅配買取や振込での取引では、相手の氏名・住所・連絡先、確認書類の種類などを、取引の流れの中で確実に把握・記録します。方法は複数ありますが、どれを採用するかを社内ルールにしておくと迷いません。

盗品等の疑い対応(買取停止・警察連絡・台帳記載)

盗品の疑いがある場合は、取引を中止し、台帳に状況を詳しく記録します。
状況に応じて所轄警察へ相談し、指示に従います。疑わしいシリアル番号の照会や、相手の説明と実物の整合性チェックなど、日常的な確認を習慣化することが予防になります。

よくある質問(FAQ)

メルカリだけで販売する場合でも許可は必要?

A. 仕入れて反復継続して売るなら、販売場所がメルカリでも許可が必要です。
自分の不要品の処分だけなら、通常は不要です。
判断に迷う場合は、取引の実態(仕入れの有無・回数・利益目的)で整理しましょう。

同一住所で複数名義の許可は取れる?

A. 物理的に区分された業務スペースや管理体制が説明できれば、同一住所で複数許可が認められることもあります。
実務上は、郵便・標識・台帳・在庫の管理責任を分けられるかがポイントです。

家族名義の銀行口座やクレカを使ってよい?

A. 事業の出入金は名義を一本化するのが基本です。
家族名義の口座・カード使用は、取引の透明性や会計処理で問題のもとになります。
開業時に事業用の口座・決済手段を準備しましょう。

まとめ

ネット販売でも、実店舗と同じく中古品を「仕入れて売る」なら古物商許可が前提になることが多いです。まずは許可の要否をはっきりさせ、次に書類・図面・住居使用の体制を整えれば、申請〜受理までの道筋は見えてきます。迷う点は所轄の警察署(公安委員会)での確認が最短です。当事務所でも事前の整え方から伴走します。

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