古物商許可×新規法人:事務所・保管場所の“実在性”をどう示すか

ネット販売や委託販売を見据えて新法人を設立し、同時に古物商許可を取りたい――そんな場面で最初に壁になるのが「実在性の説明」です。
このコラムでは、登記・定款と申請様式の表記一致、事務所と保管場所の写真・図面の作り方、標識やサイト表記の整合、非対面の本人確認、台帳運用といった“審査で見られる現場感”を、初めての方にもわかる順序で整理します。

目次

会社設立と許可申請を並走させる段取り

新法人で進める場合、定款の目的に古物営業を明示し、履歴事項証明の商号・本店・役員表記を申請様式へそのまま写し取ることが出発点です。

事務所の賃貸契約、光回線や固定電話の契約、郵便受けと社名表示、来客スペースや保管棚の設置など“業務が継続できる状態”を先に整え、写真で証明します。
EC中心であっても、在庫や返品対応の保管場所が確保されていることを示す必要があり、住居併用の場合は生活空間と明確に区分されていることが鍵です。設立登記と許可申請のタイミングは、書類の鮮度や郵送期間を見込んで工程表に落とすと手戻りが減ります。

定款目的・履歴事項と申請書表記の一致

最も多い補正は“名称や住所のわずかな違い”です。
旧字体やハイフン、部屋番号、ビル名の省略など、些細な違いが返戻の原因になります。

履歴全部事項証明書に記載を基準に、申請書・標識・サイト表記・名刺の文言を完全一致させましょう。

役員の略歴や欠格要件の確認では、旧姓・旧住所の履歴を戸籍の附票等で明らかにし、名寄せ表を添付すると理解が早まります。目的の書き方は将来の取扱品目を見据え、不要に狭めない表現にしておくと後の追加が楽です。

事務所・保管場所の写真と図面の作り方

写真は、外観・入口・社名表示・郵便受け・内観・机・電話・書庫・保管棚・PC・来客スペースを定点で撮影し、図面の位置番号と対応させます。

図面は縮尺・方位・寸法を明記し、保管棚のサイズや施錠の有無、搬入経路も示すと実在性が伝わります。
賃貸なら契約書の使用目的欄や原状回復条項が業務に適合しているかを確認し、管理規約で荷物保管に制限がないかもチェックします。

防犯面では防犯カメラ・施錠・入退室管理の方法を文章化し、盗難・事故時の対応手順を運用規程に落とし込みましょう。

標識掲示・サイト表記の整合
標識は見やすい位置に掲示し、番号・許可公安委員会名・名義人・取扱区分が鮮明に読める状態にします。
ECサイトやフリマアカウントには事業者情報を明示し、標識の写しを掲載する場合は最新のものに差し替えます。問い合わせ窓口が複数あると混乱するため、電話・メール・フォームの一本化や自動返信の整備が効果的です。広告やSNSでの表示も、同一表記を徹底して信頼を高めます。

区分の選び方と追加手続き

区分(衣類・時計貴金属・機械工具など)は、実際に取り扱う予定品目に沿って選択し、不要に広げすぎないのが運用上は安全です。
後から追加・変更も可能ですが、審査期間や標識再作成の手間を見込んで工程を組みます。
海外仕入れや越境販売を想定するなら、輸出入規制や禁制品の確認、真贋判定の外部委託契約も計画段階で固めると、許可後の立ち上げがスムーズです。

非対面の本人確認フロー設計
ネット買取や委託受領では、運転免許証の画像送付と少額振込照合、本人限定受取郵便など、複数手段の組み合わせで確実性を高めます。
古物台帳には、相手方の氏名・住所、確認書類の種別と番号、取引日・品目・数量・特徴、取引方法を漏れなく記録し、画像データは保管期限とアクセス権限を定めて安全に管理します。
本人確認に使用した画像や振込履歴は、台帳番号と相互参照できる命名規則にすると監査に強くなります。

台帳テンプレと運用ルール

台帳は紙・電子どちらでも構いませんが、項目の抜けを防ぐためテンプレートと運用マニュアルを用意します。
返品やクーリングオフの手順、未成年からの買取拒否、盗難品照会のフロー、真贋判定の基準など、実務で迷いがちな事項は文章化して周知します。
ライブ配信販売や複数モール運用では、在庫同期と表示ルールの差異がトラブル源になりやすいため、開始前にチェックリストで統一し、アカウント停止のリスクを抑えましょう。

返品・真贋・未成年対応の実務
返品可否や期間、状態基準、返送費の負担は明確に表示し、例外の扱いを社内でも共有します。
真贋は外部の鑑定書や査定記録を残し、疑いがある場合は販売中止と保管隔離の手順を定めます。
未成年者との取引は、買取を原則禁止とし、保護者同意の確認方法も書面化しておくと安全です。
これらのルールを台帳運用と同じフォーマットで残すと、スタッフ交代時も品質が保てます。

まとめ/ご相談のご案内

このコラムが、新規法人で古物商許可を確実に取得し、運用開始からのトラブルを未然に防ぐための“実在性の示し方”の道しるべになれば幸いです。アクシスサポート行政書士事務所では、表記統一の名寄せ、写真・図面の指示、標識・サイト表記の整備、本人確認フローや台帳テンプレの設計まで、一体でサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

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